第52回

第52回理学療法士国家試験 午前問題97

小児自閉症について正しいのはどれか。

  1. 学童期に発症する。
  2. 脊椎変形を生じる。
  3. 女児より男児に多く出現する。
  4. 精神遅滞を伴うことは稀である。
  5. 大部分の症例でてんかんを認める。

解答解説

正解は3.女児より男児に多く出現するです。

自閉症スペクトラム障害(ASD:Autism Spectrum Disorder)は、発達障害の一種であり、男児に多くみられます。その発症率は男女比で4~5:1とされています。ASDの主な特徴は、社会性やコミュニケーション能力の障害、反復的な行動や興味の偏りが挙げられます。

各選択肢の解説

  1. 学童期に発症する。
    ASDは通常、3歳以前に発症し、早期から社会性や言語発達の遅れが見られます。学童期に発症するわけではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 脊椎変形を生じる。
    ASDでは脊椎変形のリスクは直接的にはありません。ただし、合併症として姿勢や筋骨格系に問題を抱えるケースもありますが、主症状ではありません。この選択肢は誤りです。
  3. 女児より男児に多く出現する。(正解)
    ASDは男児に多い障害で、男女比が4~5:1で報告されています。 この選択肢が正解です。
  4. 精神遅滞を伴うことは稀である。
    ASDの約30~50%の子どもは知的障害(精神遅滞)を伴うとされています。精神遅滞を伴うことが稀ではないため、この選択肢は誤りです。
  5. 大部分の症例でてんかんを認める。
    ASDの約20~30%の症例でてんかんを合併するとされていますが、大部分ではありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

ASDの特徴として覚えておくべき点:

  • 発症時期:3歳以前。
  • 性別差:男児に多い(4~5:1)。
  • 症状:社会性の障害、コミュニケーション障害、反復的な行動や興味の偏り。
  • 合併症:知的障害やてんかんを伴うことがあるが、全例ではない。

正確な理解と典型的な症例を押さえることで、試験対策に役立ちます。