第52回

第52回理学療法士国家試験 午前問題92

高齢者の肺炎の特徴として正しいのはどれか。

  1. 高熱がみられる。
  2. 誤嚥性肺炎が多い。
  3. 肺尖部の病巣が多い。
  4. 咳反射の亢進がみられる。
  5. 死因となる例は減少している。

解答解説

正解は2.誤嚥性肺炎が多いです。

高齢者の肺炎は、全体的な免疫力の低下や嚥下機能の低下、口腔内の細菌繁殖などが原因で、誤嚥性肺炎が多いことが特徴です。食事や唾液などを誤嚥することで、下気道に細菌が侵入し、感染を引き起こします。

各選択肢の解説

  1. 高熱がみられる。
    高齢者では免疫応答が低下しているため、高熱を伴わないことが多く、むしろ微熱や平熱のままのことがあります。この選択肢は誤りです。
  2. 誤嚥性肺炎が多い。(正解)
    高齢者の肺炎の主な原因は誤嚥です。 嚥下機能の低下や咳反射の低下が誘因となります。この選択肢が正解です。
  3. 肺尖部の病巣が多い。
    肺尖部に病巣が多いのは結核など特定の疾患の場合であり、肺炎では通常、下葉や下気道に病変が生じます。この選択肢は誤りです。
  4. 咳反射の亢進がみられる。
    高齢者では咳反射が低下し、誤嚥性肺炎のリスクが増加します。咳反射の亢進ではなく、低下が特徴です。この選択肢は誤りです。
  5. 死因となる例は減少している。
    肺炎は高齢者の主要な死因の1つであり、高齢化社会に伴ってその割合は増加傾向にあります。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

高齢者の肺炎の特徴を学ぶ際には、以下の点に注意してください:

  • 症状:発熱や咳が目立たないことが多く、倦怠感や意識低下、食欲不振が主症状となる場合がある。
  • 原因:誤嚥性肺炎が多く、嚥下機能や咳反射の低下が関与。
  • 予防:口腔ケア、嚥下機能の訓練、肺炎球菌ワクチン接種が重要。

これらの特徴を押さえることで、高齢者の肺炎の理解が深まり、臨床や試験対策にも役立ちます。