第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題44

白杖を使用している視覚障害者の介助について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 平地歩行時は、介助者の手を把持する。
  2. バスに乗るときは、介助者が先に乗る。
  3. 階段を下りるときは、介助者が一段先に下りる。
  4. 混雑した電車に乗るときは、介助者が後から乗る。
  5. 手前に引いて出入りするドアでは、介助者が先に入る。

解答解説

正解は2. バスに乗るときは、介助者が先に乗る3. 階段を下りるときは、介助者が一段先に下りるです。

視覚障害者の介助では、安全性を確保しながら、障害者自身のペースを尊重することが重要です。バスや階段の利用時には介助者が先導し、安全な状況を伝えつつサポートする方法が適切とされています。

各選択肢の解説

  1. 平地歩行時は、介助者の手を把持する
    正しくは、視覚障害者が介助者の肘や腕を軽く握る形でサポートを受けるのが適切です。手を握る方法では、安定性や感覚的な情報が不足しやすいため、推奨されません。この選択肢は誤りです。
  2. バスに乗るときは、介助者が先に乗る(正解)
    介助者が先に乗って状況を確認し、安全を確保することで視覚障害者をスムーズに誘導できます。正しい選択肢です。
  3. 階段を下りるときは、介助者が一段先に下りる(正解)
    階段の上り下りでは、介助者が一段先に進み、安全を確認しながら視覚障害者を誘導します。この選択肢は正しいです。
  4. 混雑した電車に乗るときは、介助者が後から乗る
    混雑した電車では介助者が先に乗り、状況を確認してから視覚障害者を誘導するのが適切です。介助者が後から乗ると、視覚障害者が混雑の中で迷う可能性が高く危険です。この選択肢は誤りです。
  5. 手前に引いて出入りするドアでは、介助者が先に入る
    手前に引くドアでは、視覚障害者が先に通れるようにドアを押さえ、開けるサポートを行うことが望ましいです。介助者が先に入ると、視覚障害者の通行を妨げる可能性があるため、この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

視覚障害者の介助では、安全性の確保と的確な情報提供が重要です。歩行や公共交通機関の利用時には、視覚障害者を不安にさせないよう適切な声かけとサポートを心がけましょう。また、ドアの通行時や混雑した場所では、状況に応じて柔軟に対応することが求められます。