心不全のない急性心筋梗塞患者の退院後運動指導として適切なのはどれか。
- 1日10分程度のジョギング
- 等尺性収縮による筋力増強
- 心拍数を増加させない運動
- Borg指数16レベルの運動
- 週3日以上の有酸素運動
解答解説
正解は5. 週3日以上の有酸素運動です。
急性心筋梗塞後のリハビリテーションでは、適切な運動が心機能の回復を促進し、再発予防や生活の質(QOL)の向上に寄与します。退院後の運動指導では、有酸素運動(ウォーキングや軽度のサイクリングなど)を週3日以上実施することが推奨されます。運動強度は中等度を目安とし、運動の頻度や持続時間は個々の体力や症状に応じて調整します。
各選択肢の解説
- 1日10分程度のジョギング
ジョギングは運動強度が高く、退院直後の急性心筋梗塞患者には適切ではありません。まずは軽度~中等度の有酸素運動から開始し、徐々に負荷を増加させることが必要です。この選択肢は誤りです。 - 等尺性収縮による筋力増強
等尺性収縮(例:持続的な筋力発揮を伴う運動)は血圧上昇を招く可能性があり、心臓に負担をかけるため推奨されません。この選択肢は誤りです。 - 心拍数を増加させない運動
運動による心拍数の増加は正常な反応であり、適度に心拍数を上げることが心肺機能の向上に役立ちます。心拍数を全く増加させない運動では効果が期待できません。この選択肢は誤りです。 - Borg指数16レベルの運動
Borg指数16(自覚的運動強度が「ややきつい~きつい」レベル)は、急性心筋梗塞患者の退院後には強すぎる可能性があります。退院後早期ではBorg指数11~13(楽~ややきつい)程度の運動が適切です。この選択肢は誤りです。 - 週3日以上の有酸素運動(正解)
有酸素運動は心肺機能を改善し、再発予防に寄与します。頻度は週3日以上が推奨されます。運動強度や種類は個別化する必要がありますが、軽度~中等度の運動から始めることが基本です。正しい選択肢です。
ワンポイントアドバイス
急性心筋梗塞後の運動指導では、有酸素運動を中心とし、心拍数やBorg指数などで適切な強度を設定します。過負荷を避けながら、心臓の回復と全身持久力の向上を目指すアプローチが重要です。定期的な運動計画の見直しも忘れずに行いましょう。