頭部MRI のT1 強調冠状断像で矢印の部位はどれか。
- 前頭弁蓋
- 帯状回
- 尾状核
- 海馬
- 島
解答解説
正解は4.海馬です。
海馬(hippocampus)は、大脳辺縁系に属する構造で、記憶形成や空間認知に関与しています。MRI画像では、冠状断で内側側頭葉の下部、脳梁のすぐ下に位置する特有の形状が確認できます。矢印の部位は海馬を示しています。
各選択肢の解説
- 前頭弁蓋
前頭弁蓋は前頭葉の下部に位置する構造で、矢印の部位とは異なる領域です。この選択肢は誤りです。 - 帯状回
帯状回(cingulate gyrus)は、大脳縦裂の近くに位置する大脳辺縁系の一部で、矢印の位置よりも上部にあります。この選択肢は誤りです。 - 尾状核
尾状核(caudate nucleus)は、大脳基底核の一部で、脳室の外側に沿って位置します。矢印の部位とは位置が異なります。この選択肢は誤りです。 - 海馬(正解)
海馬は記憶形成や情動に関与する重要な構造で、矢印が示す内側側頭葉の部位に該当します。 この選択肢が正解です。 - 島
島(insula)は外側溝の奥に位置する領域で、MRI冠状断では矢印の部位とは異なる場所にあります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
海馬は、記憶や認知機能において中心的な役割を果たす部位であり、アルツハイマー病やてんかんなどの疾患に関連するため、臨床的に非常に重要です。MRI画像では内側側頭葉を注視し、特有の形状を確認することで海馬を識別する練習を行いましょう。