第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題36

水の物理的特性で水中運動療法における生理的な作用に影響しないのはどれか。

  1. 水圧
  2. 浮力
  3. 抵抗
  4. 屈折
  5. 熱伝導率

解答解説

正解は4. 屈折です。

水中運動療法における生理的作用は、水の物理的特性によるものです。水圧や浮力、抵抗、熱伝導率が患者の運動や循環、筋力、体温調節に影響を与えます。一方、屈折は光の進む方向が変わる現象で、視覚的な要素に関わるものであり、生理的作用には直接影響を及ぼしません。

各選択肢の解説

  1. 水圧
    水中では深さに応じて水圧がかかり、静脈還流を促進して血液循環を改善します。また、呼吸器に対しても負荷がかかり、呼吸筋を鍛える効果があります。水圧は生理的作用に影響するため、正しい特性です。
  2. 浮力
    浮力は体を軽くする作用があり、関節や筋肉への負担を軽減します。リハビリテーションや関節炎患者の運動において重要な役割を果たします。これも生理的作用に大きく影響します。
  3. 抵抗
    水の抵抗は筋力トレーニングや有酸素運動に役立ちます。運動時に水の抵抗を利用することで、負荷を調整しつつ筋肉の強化を行うことができます。これも生理的作用に関連します。
  4. 屈折(正解)
    屈折は水中で光が曲がる現象であり、視覚的な見え方に影響を与えますが、生理的作用に直接的な影響はありません。このため、正しい選択肢です。
  5. 熱伝導率
    水の熱伝導率は空気よりも高く、体温の調節や冷却、リラクゼーション効果に影響します。温水では筋肉の緊張が緩和され、血流が改善します。これも生理的作用に大きく関与します。

ワンポイントアドバイス

水中運動療法では、水の物理的特性(浮力、水圧、抵抗、熱伝導率)が治療効果に直結します。屈折は視覚的な問題に関連するため、生理的な作用には影響を及ぼさない点を理解しておきましょう。