延髄の障害でみられやすい症状はどれか。
- 兎眼
- 眼瞼下垂
- 共同偏視
- 舌の運動障害
- 対光反射の障害
解答解説
正解は4.舌の運動障害です。
延髄には、舌下神経(第12脳神経)の核や、嚥下や発声に関わる神経核が存在しています。そのため、延髄が障害されると、舌の運動障害や嚥下障害、構音障害が生じやすいです。舌の運動障害では、舌が片側に偏位する、舌を動かしにくいなどの症状が現れます。
各選択肢の解説
- 兎眼
兎眼(まぶたが閉じない症状)は、顔面神経(第7脳神経)の障害によるもので、延髄ではなく橋に関連する障害で見られることが多いです。この選択肢は誤りです。 - 眼瞼下垂
眼瞼下垂は、動眼神経(第3脳神経)の障害で見られる症状です。動眼神経核は中脳に存在するため、延髄障害では生じません。この選択肢は誤りです。 - 共同偏視
共同偏視(眼球が一方向に偏位する状態)は、大脳や橋における障害で見られることが多く、延髄障害で直接的に生じることはありません。この選択肢は誤りです。 - 舌の運動障害(正解)
延髄には舌下神経核が存在しており、延髄の障害によって舌の運動が障害されます。 具体的には、舌が片側に偏位する、舌をうまく動かせないなどの症状が現れます。この選択肢が正解です。 - 対光反射の障害
対光反射は動眼神経(第3脳神経)と関係が深く、中脳の障害で見られる症状です。延髄障害では通常みられません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
延髄障害の主な症状には、舌の運動障害(舌下神経)、嚥下障害(迷走神経、舌咽神経)、構音障害、呼吸や循環の調整障害が含まれます。 延髄が関与する神経核と関連症状を覚え、他の脳幹部位との違いを正確に理解することが重要です。