末梢神経損傷で予後が最も良いのはどれか。
- ニューロトメーシス(neurotmesis)
- アクソノトメーシス(axonotmesis)
- ニューラプラキシア(neurapraxia)
- 神経根引き抜き損傷
- Waller変性
解答解説
正解は3. ニューラプラキシア(neurapraxia)です。
ニューラプラキシアは、末梢神経損傷の中で最も軽度な形態です。神経線維の伝導が一時的に障害されますが、軸索や神経鞘の構造的損傷はありません。このため、通常は数日から数週間以内に自然回復します。予後が非常に良いのが特徴です。
各選択肢の解説
- ニューロトメーシス(neurotmesis)
神経の完全断裂を指します。神経鞘も損傷しているため、自然回復は期待できず、外科的修復が必要です。予後は悪いです。この選択肢は誤りです。 - アクソノトメーシス(axonotmesis)
軸索が損傷していますが、神経鞘が保たれている損傷です。再生の可能性はありますが、軸索が再生するのに時間がかかるため、回復は数か月単位です。ニューラプラキシアより予後は悪いです。この選択肢は誤りです。 - ニューラプラキシア(neurapraxia)(正解)
神経伝導が一時的に阻害されている状態で、構造的な損傷はありません。短期間で自然回復するため、末梢神経損傷の中で最も予後が良いです。正しい選択肢です。 - 神経根引き抜き損傷
神経根が脊髄から引き抜かれる重度の損傷です。自然回復は見込めず、手術をしても回復が困難なことが多いです。予後は非常に悪いです。この選択肢は誤りです。 - Waller変性
神経損傷に伴う遠位軸索とミエリン鞘の変性を指します。これは損傷の結果として起こるプロセスであり、予後に直接影響するものではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
Seddon分類(ニューラプラキシア、アクソノトメーシス、ニューロトメーシス)を覚えることで、損傷の重症度と予後を理解しやすくなります。ニューラプラキシアは一時的な伝導障害で最も予後が良い形態です。