筋萎縮性側索硬化症で生じにくい症状はどれか。
- 舌萎縮
- 構音障害
- 上下肢麻痺
- 眼球運動障害
- 摂食嚥下障害
解答解説
正解は4. 眼球運動障害です。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンが障害される進行性の疾患です。筋力低下、筋萎縮、痙縮、構音障害、嚥下障害などが特徴ですが、眼球運動を司る外眼筋は病変の影響を受けにくく、眼球運動障害は稀です。この点が他の神経変性疾患と異なる特徴の1つです。
各選択肢の解説
- 舌萎縮
下位運動ニューロンの障害により、舌筋が萎縮します。これはALSの典型的な症状の1つです。この選択肢は誤りです。 - 構音障害
構音を司る筋肉(舌、口唇、咽頭筋など)が障害されるため、構音障害が頻繁にみられます。ALSの特徴的な症状の1つです。この選択肢は誤りです。 - 上下肢麻痺
ALSでは、四肢筋の筋力低下や麻痺が進行します。特に下位運動ニューロン障害による弛緩性麻痺や、上位運動ニューロン障害による痙性麻痺がみられるのが典型的です。この選択肢は誤りです。 - 眼球運動障害(正解)
ALSでは外眼筋の機能が比較的保たれるため、眼球運動障害はほとんどみられません。これが本疾患の重要な特徴の1つであり、この選択肢が正解です。 - 摂食嚥下障害
咽頭筋や舌筋の障害により、摂食嚥下障害は早期からみられる症状の1つです。ALS患者にとって生命予後に直結する重要な問題となります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
ALSの特徴として、外眼筋の障害がみられにくい点を覚えておきましょう。この特徴は、重症筋無力症や進行性核上性麻痺など、眼球運動障害を伴う他の神経疾患との鑑別に役立ちます。