非圧痕性浮腫を生じる疾患はどれか。
- ネフローゼ症候群
- 甲状腺機能低下症
- 肝硬変
- 心不全
- 熱傷
解答解説
正解は2. 甲状腺機能低下症です。
非圧痕性浮腫とは、皮膚を押しても圧痕が残らないタイプの浮腫を指します。甲状腺機能低下症では、組織内にムコ多糖類が蓄積し、それが水分を保持することで非圧痕性の浮腫(粘液水腫)が生じます。この特徴的な浮腫は顔面や四肢に多く見られます。
各選択肢の解説
- ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群では、低アルブミン血症による浸透圧の低下が原因で、圧痕性浮腫が生じます。非圧痕性浮腫とは異なります。 - 甲状腺機能低下症(正解)
甲状腺機能低下症では、ムコ多糖類(ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸)が皮下組織に蓄積し、非圧痕性浮腫を引き起こします。これが粘液水腫と呼ばれる症状の特徴です。正しい選択肢です。 - 肝硬変
肝硬変では、アルブミンの生成低下や門脈圧亢進によって圧痕性浮腫が見られます。非圧痕性浮腫ではありません。 - 心不全
心不全では、血液のうっ滞や静水圧の上昇により圧痕性浮腫が生じます。非圧痕性浮腫とは異なります。 - 熱傷
熱傷による浮腫は、血管透過性の亢進や組織損傷によって引き起こされるもので、通常は圧痕性浮腫に分類されます。非圧痕性浮腫ではありません。
ワンポイントアドバイス
非圧痕性浮腫は、甲状腺機能低下症(粘液水腫)に特徴的です。これに対し、圧痕性浮腫はネフローゼ症候群、心不全、肝硬変などで見られる浮腫です。疾患ごとの浮腫のタイプとそのメカニズムを整理して覚えておきましょう。