第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題25

SF-36で正しいのはどれか。

  1. 効用値を算出する。
  2. 4つの下位尺度がある。
  3. 疾患特異的尺度である。
  4. アウトカムの指標となる。
  5. 全般的に主観的満足感を評価する。

解答解説

正解は4. アウトカムの指標となるです。

SF-36(Short Form-36 Health Survey)は、健康関連QOL(Quality of Life)の評価尺度であり、一般的な健康状態を幅広く評価するために開発されました。この尺度は、リハビリテーションや医療介入のアウトカム(結果)指標として用いられることが多く、臨床研究や患者の健康状態の追跡に有用です。

各選択肢の解説

  1. 効用値を算出する
    SF-36は健康状態の評価には有効ですが、効用値(健康状態を数値化し、経済評価などに用いる値)を算出するものではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 4つの下位尺度がある
    SF-36には8つの下位尺度(身体機能、身体役割、身体痛、全般的健康、活力、社会生活機能、情緒的役割、精神的健康)があり、4つではありません。この選択肢は誤りです。
  3. 疾患特異的尺度である
    SF-36は疾患特異的ではなく、汎用的尺度です。特定の疾患に焦点を当てるのではなく、一般的な健康状態やQOLを評価するために設計されています。この選択肢は誤りです。
  4. アウトカムの指標となる(正解)
    SF-36は介入の効果や健康状態の変化を評価する際のアウトカム指標として広く使用されます。これは臨床研究や実践での重要な役割を果たします。正しい選択肢です。
  5. 全般的に主観的満足感を評価する
    SF-36は健康状態を多角的に評価する尺度であり、単に主観的満足感を評価するものではありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

SF-36は、疾患や年齢に関係なく幅広い人々に適用可能な汎用的健康関連QOL尺度です。8つの下位尺度で構成され、身体的および精神的健康状態の評価に有用です。疾患特異的な尺度(例:膝関節痛専用など)との違いを理解し、適切な場面で使用しましょう。