第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題27

関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準)において、基本軸または移動軸が橈骨であるのはどれか。2つ選べ。

  1. 肩外旋
  2. 肩屈曲
  3. 肘伸展
  4. 手背屈
  5. 前腕回内

解答解説

正解は3. 肘伸展4. 手背屈です。

関節可動域測定法では、基本軸または移動軸として解剖学的な骨の位置を基準にします。橈骨が基準となる場合は、主に肘関節や手関節の動作測定で用いられます。具体的には、肘関節の屈曲・伸展と手関節の背屈・掌屈が該当します。

各選択肢の解説

  1. 肩外旋
    肩関節の外旋では、基本軸は肩峰を通る床への垂直線移動軸は尺骨を基準にします。橈骨は関与しません。この選択肢は誤りです。
  2. 肩屈曲
    肩関節の屈曲では、基本軸は肩甲骨移動軸は上腕骨を基準とします。橈骨は関与しません。この選択肢は誤りです。
  3. 肘伸展(正解)
    肘関節の屈曲および伸展では、基本軸は上腕骨移動軸は橈骨を基準とします。橈骨が基準に含まれるため、正しい選択肢です。
  4. 手背屈(正解)
    手関節の背屈および掌屈では、基本軸は橈骨移動軸は第2中手骨を基準とします。橈骨が基準に含まれるため、正しい選択肢です。
  5. 前腕回内
    前腕の回内・回外では、基本軸は上腕骨移動軸は手指を通る線を基準とします。橈骨は基準に含まれません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

肘関節(屈曲・伸展)や手関節(背屈・掌屈)の可動域測定では、橈骨が基本軸や移動軸として使われます。一方、肩関節や前腕の回旋動作では、橈骨ではなく上腕骨や尺骨が基準になる場合が多いことを覚えておきましょう。