陽性尤度比の説明で正しいのはどれか。
- 検査的中率と同義である。
- 陰性尤度比を足すと1になる。
- 「感度÷(1-特異度)」で計算できる。
- 値が小さいほど臨床導入の妥当性が高い。
- 実際の該当者のうち検査で陽性となる割合である。
解答解説
正解は3. 「感度÷(1-特異度)」で計算できるです。
陽性尤度比(LR+)は、検査の結果が陽性だったときに、それが実際に疾患を有している確率を示す指標です。この値は、検査の診断力を示す重要な指標であり、以下の公式で計算されます。
陽性尤度比(LR+)=感度÷(1-特異度)
陽性尤度比が大きいほど、検査結果が陽性の際に疾患が存在する可能性が高く、臨床で有用な検査といえます。
各選択肢の解説
- 検査的中率と同義である
検査的中率(accuracy)は、検査が正しい結果を出した割合を指します。一方、陽性尤度比は、検査陽性で疾患が存在する確率を示す指標であり、全く異なる概念です。この選択肢は誤りです。 - 陰性尤度比を足すと1になる
陽性尤度比(LR+)と陰性尤度比(LR-)は互いに独立した指標であり、足して1になる関係ではありません。この選択肢は誤りです。 - 「感度÷(1-特異度)」で計算できる(正解)
陽性尤度比の定義そのものであり、正しい選択肢です。 - 値が小さいほど臨床導入の妥当性が高い
陽性尤度比は値が大きいほど検査の診断力が高く、臨床的に有用であることを示します。この選択肢は逆の内容であり、誤りです。 - 実際の該当者のうち検査で陽性となる割合である
実際の該当者のうち検査で陽性となる割合は「感度」を指します。陽性尤度比とは異なる概念であり、この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
陽性尤度比(LR+)は、感度と特異度を組み合わせて検査の診断力を示す指標です。臨床では、値が10以上であれば非常に診断力が高いと評価されます。一方、陰性尤度比(LR-)は検査結果が陰性だった場合の疾患否定の力を示します。この2つを区別して覚えましょう。