脊髄損傷患者の車椅子上での除圧動作を図に示す。損傷レベルの上位から下位への順序で正しいのはどれか。
- B → C → D → A
- B → D → C → A
- C → B → A → D
- D → B → A → C
- D → C → B → A
解答解説
正解は2.B → D → C → Aです。
脊髄損傷のレベルが高いほど、運動機能の制限が大きくなるため、体幹や四肢の動きに応じた除圧動作が必要です。 損傷レベルが高い患者では介助者の力を借りた方法が必要で、損傷レベルが下がるにつれて、自分で体を動かして除圧が可能になります。
各動作の解説
- B(損傷レベルが最も上位)
損傷レベル:C5~C6付近
体幹保持ができないため、介助者が体を後方に倒して除圧を行います。体幹筋や上肢筋の機能が低下しているため、自力での除圧が困難です。 - D(損傷レベルがやや上位)(正解)
損傷レベル:C7~T1付近
上肢の筋力が一部残存しているため、自力で前方に体を屈曲させて除圧を行います。ただし、体幹の筋力は弱いため前方屈曲が限界です。 - C(損傷レベルが中位)
損傷レベル:T2~T6付近
体幹筋力が一部保たれているため、体を側方に移動して除圧が可能です。さらに下肢への筋力が戻ると、より効率的な動作が可能になります。 - A(損傷レベルが最も下位)
損傷レベル:T7以下または腰髄レベル
体幹筋や上肢筋の機能が十分保たれているため、腕の力を使って座位を保持しながら除圧が可能です。
ワンポイントアドバイス
脊髄損傷のレベルが高いほど、除圧動作には介助や簡易な方法が必要です。一方で、損傷レベルが低いほど自立した動作が可能になります。試験では損傷レベルと動作能力の対応を正確に理解し、それに基づいたリハビリ計画を考えることが重要です。