Down症候群で乳児期前半にみられる特徴的な姿勢はどれか。
- 図1
- 図2
- 図3
- 図4
- 図5
解答解説
正解は2. 図2です。
Down症候群の乳児では、筋緊張低下が特徴的であり、仰臥位で手足をだらりと開いた姿勢(外転位)をとることが多いです。図2は、このような筋緊張低下を反映した典型的な姿勢を示しています。筋緊張低下の影響で手足が閉じにくく、柔軟性が増しているのも特徴です。
各選択肢の解説
- 図1
図1の姿勢は、仰臥位で片方の上肢と下肢が伸びており、非対称な姿勢です。この姿勢は脳性麻痺の痙直型や片麻痺に関連することがありますが、Down症候群の典型的な姿勢ではありません。 - 図2(正解)
Down症候群に典型的な仰臥位での筋緊張低下を反映した姿勢です。四肢が外転し、だらりと力が抜けたように見える点が特徴的です。このような筋緊張低下は乳児期の早期から観察されるため、正解です。 - 図3
図3は対称的な動きや筋緊張が一定程度保たれている姿勢を示しています。この姿勢は正常発達における乳児の動きに近く、Down症候群の乳児で見られる典型的な筋緊張低下を反映していません。 - 図4
図4の姿勢は、正常な発達を示す乳児の動きの1つです。足を持ち上げるこの姿勢は、筋緊張が低下しているDown症候群の乳児では取りにくい姿勢です。 - 図5
図5の姿勢は、回転動作や筋緊張の調整がある程度必要です。この姿勢は正常発達の乳児の動きに近く、Down症候群の乳児の筋緊張低下を示す姿勢ではありません。
ワンポイントアドバイス
Down症候群では筋緊張低下(低緊張)が乳児期の初期段階で顕著です。これにより、仰臥位で四肢を外転した姿勢をとりやすくなります。リハビリテーションでは、低緊張により遅れが生じやすい運動発達を促進するため、体幹の安定性を高める訓練が重要です。