第52回

第52回理学療法士国家試験 午前問題43

3歳6か月の脳性麻痺児で、ロフストランド杖などの手に持つ移動器具を使用して歩行可能である。この児のGMFCSのレベルはどれか。

解答解説

正解は3.Ⅲです。

GMFCS(Gross Motor Function Classification System)は、脳性麻痺児の粗大運動能力を5つのレベルで分類するシステムです。レベルⅢは、自立歩行が可能ではあるものの、移動の際に歩行補助具(例:ロフストランド杖)を必要とする段階に該当します。この児は補助具を使用して歩行可能であるため、GMFCSレベルⅢと判断されます。

各選択肢の解説


  1. レベルⅠは、日常生活において完全に自立歩行が可能であり、移動の際に補助具を必要としない状態です。この児はロフストランド杖を使用しているため、該当しません。

  2. レベルⅡは、屋内外での歩行が可能ですが、移動速度やバランスに制限があり、特定の状況で手すりなどのサポートが必要な段階です。補助具を使用することが含まれないため、この児は該当しません。
  3. (正解)
    レベルⅢでは、屋内外での移動時に歩行補助具が必要であり、独立して歩行することが難しい状態です。 この児がロフストランド杖を使用していることから、このレベルに該当します。

  4. レベルⅣは、移動手段として車椅子を主に使用し、自立歩行がほぼ不可能な段階です。この児は補助具を使用して歩行可能なため、該当しません。

  5. レベルⅤは、全身の動作が極めて制限され、ほとんどの移動が介助に依存する状態です。この児は歩行が可能であるため、該当しません。

ワンポイントアドバイス

GMFCSの分類は、移動能力を基準に評価することが重要です。補助具の使用や移動手段の選択に応じたレベル分けが行われるため、各レベルの特徴を明確に理解しておくことが試験対策において有用です。