第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題37

スタティック・ストレッチングによる痛緩和について正しいのはどれか。

  1. 高頻度に伸張する。
  2. 素早く筋を伸張する。
  3. 息を止めないで伸張する。
  4. 強い痛みが生じるまで伸張する。
  5. 伸張時間は5秒以内にとどめる。

解答解説

正解は3.息を止めないで伸張するです。

スタティック・ストレッチングは、筋をゆっくり伸ばして一定時間保持する方法で、筋緊張の低下や痛みの軽減に効果があります。ストレッチ中に息を止めると筋緊張が高まりやすくなるため、呼吸を止めず、自然な呼吸を続けることが重要です。

各選択肢の解説

  1. 高頻度に伸張する。
    誤り。スタティック・ストレッチングは1回あたり20~30秒程度を目安にゆっくり行い、頻度よりも正確なフォームや適切な負荷を重視します。
  2. 素早く筋を伸張する。
    誤り。素早い伸張はスタティック・ストレッチングの特性に反し、むしろ筋反射(伸張反射)を誘発しやすくなるため、筋の緊張が高まります。ゆっくりとした伸張が推奨されます。
  3. 息を止めないで伸張する。
    正解。息を止めると交感神経が優位になり筋緊張が高まるため、ストレッチ中は深呼吸やリラックスした呼吸を心がけることで、筋の緊張を和らげることができます。
  4. 強い痛みが生じるまで伸張する。
    誤り。ストレッチは「気持ちよい程度の伸張感」を目安に行うべきであり、強い痛みを伴う伸張は筋損傷や炎症を引き起こす可能性があるため避けます。
  5. 伸張時間は5秒以内にとどめる。
    誤り。スタティック・ストレッチングでは、伸張時間は20~30秒程度が効果的です。5秒では十分な効果を得られません。

ワンポイントアドバイス

スタティック・ストレッチングを行う際は、ゆっくりとした動作で行い、適度な伸張感を感じる位置で保持することが重要です。呼吸を止めずリラックスすることで、副交感神経が優位になり、筋の緊張を和らげる効果が得られます。