第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題93

Down症候群で正しいのはどれか。

  1. 転座型の場合は両親に転座があることは少ない。
  2. 出現頻度は母親の出産年齢に影響されない。
  3. 21番染色体の異常がみられる。
  4. 両親に対する愛着は少ない。
  5. 知的障害はみられない。

解答解説

正解は3.21番染色体の異常がみられるです。

Down症候群は、21番染色体が1本余分に存在するトリソミー(21トリソミー)が原因となります。その他、転座型やモザイク型の染色体異常も認められますが、いずれも21番染色体に関係しています。

各選択肢の解説

  1. 転座型の場合は両親に転座があることは少ない。
    誤り。転座型Down症候群は、親の一方が転座保因者である場合が多いです。ただし、この場合でも子にDown症候群を発症する確率は高くありません。
  2. 出現頻度は母親の出産年齢に影響されない。
    誤り。Down症候群の発症頻度は、母親の出産年齢が上昇するにつれて高くなります。
  3. 21番染色体の異常がみられる。
    正解。Down症候群の原因は、21番染色体の数的異常(トリソミー)または構造異常(転座)により生じます。
  4. 両親に対する愛着は少ない。
    誤り。Down症候群の子どもは通常、両親に対して正常な愛着を形成します。
  5. 知的障害はみられない。
    誤り。Down症候群では軽度から中等度の知的障害が一般的にみられます。

ワンポイントアドバイス

Down症候群の特徴を押さえましょう:

  • 遺伝的要因:21番染色体のトリソミー(95%が非分離による完全トリソミー)。
  • 主な症状:軽度から中等度の知的障害、低緊張、特徴的な顔貌(斜視、眼裂が狭い、鼻根部の平坦化など)。
  • 合併症:先天性心疾患(心室中隔欠損など)、甲状腺機能低下症、白血病のリスク増加。

特に母親の出産年齢が高い場合に発症リスクが上がることを覚えておきましょう。