第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題3

Danielsらの徒手筋力テスト(足関節底屈の検査)を図に示す。正しいのはどれか。

  1. 図1で完全な底屈運動ができるが抵抗に耐えられなければ段階2-である。
  2. 図1で完全な底屈運動ができて最大抵抗に負けずに保てれば段階2である。
  3. 図2で疲れなしに完全な底屈運動が1回行えれば段階3である。
  4. 図2で完全な底屈運動が20回行えれば段階5である。
  5. 図3は腓腹筋単独のテスト肢位である。

解答解説

正解は3です。
図2は徒手筋力テストにおける足関節底屈の評価肢位で、段階3の基準は「1回の完全な底屈運動が可能」であることです。この肢位で1回動作を行えれば、段階3と判断されます。疲労なしに運動を行えることがポイントです。

選択肢の解説

  1. 図1で完全な底屈運動ができるが抵抗に耐えられなければ段階2-である。
    図1は抵抗を加える肢位で、重力を考慮しない水平面上の評価です。この状態で完全な底屈運動ができれば段階2に分類されますが、「抵抗に耐えられない」場合は段階2-ではなく、段階2そのものと判断します。この選択肢は誤りです。
  2. 図1で完全な底屈運動ができて最大抵抗に負けずに保てれば段階2である。
    図1のように重力の影響を受けない水平面上で運動が行える場合、段階2ですが、「最大抵抗に負けずに保つ」場合は段階4以上になります。したがって、この選択肢も誤りです。
  3. 図2で疲れなしに完全な底屈運動が1回行えれば段階3である。
    図2では被験者が立位で底屈を行い、重力に逆らって運動します。この条件で1回の完全な底屈運動ができれば段階3です。この選択肢は正解です。
  4. 図2で完全な底屈運動が20回行えれば段階5である。
    段階5の基準は「完全な底屈運動を繰り返し疲労なしに行う」ことで、通常は25回以上が基準となります。「20回」で段階5とするのは基準を満たしていないため、この選択肢は誤りです。
  5. 図3は腓腹筋単独のテスト肢位である。
    図3は膝を屈曲した状態での底屈運動を行っており、この場合は腓腹筋ではなくヒラメ筋の筋力を主に評価します。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

徒手筋力テストでは、筋力段階の定義を正確に覚えることが重要です。特に足関節底屈では、重力に逆らう運動や抵抗に対する耐久性を基準に段階が分類されます。腓腹筋とヒラメ筋のテスト肢位の違いも、解剖学的知識と併せて確認しておきましょう。