14歳の女子。第5胸椎を頂椎とする側弯症。Cobb角は18度である。体幹前屈時の様子を図に示す。正しいのはどれか。
- 右凸の側弯である
- 手術療法の適応である
- 側弯体操で矯正可能である
- Boston型装具の適応である
- 第5胸椎の棘突起は凸側へ回旋している
解答解説
正解は1. 右凸の側弯であるです。
図に示されている体幹前屈時の様子から、右側が隆起していることが確認できます。この隆起は右側の肋骨が回旋して突出している状態であり、右凸の側弯を示唆します。Cobb角が18度であるため、装具療法や手術療法の適応外です。この角度では運動療法や経過観察が基本となります。
各選択肢の解説
- 右凸の側弯である(正解)
図に示されるように、体幹前屈時に右側の肋骨が隆起しています。これは右凸の側弯で特徴的に見られる徴候であり、正しい選択肢です。 - 手術療法の適応である
Cobb角が18度の場合、手術療法の適応にはなりません。通常、手術はCobb角が40~50度を超える場合に検討されます。本患者の角度は軽度で、手術の対象外です。 - 側弯体操で矯正可能である
側弯体操は進行予防に役立つことはありますが、完全な矯正は難しいです。本患者のCobb角が軽度であるため、体操は適応される可能性はありますが、矯正を目的とするわけではありません。 - Boston型装具の適応である
Boston型装具はCobb角が20~25度以上で、成長期に側弯の進行が見られる場合に適応されます。本患者のCobb角は18度であり、装具療法の適応にはなりません。 - 第5胸椎の棘突起は凸側へ回旋している
側弯では棘突起は凹側に回旋します。図では右凸側弯であるため、第5胸椎の棘突起は左側(凹側)へ回旋していることになります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
側弯症の評価では、体幹前屈試験(Adam’s前屈検査)が基本的なスクリーニング方法です。右側の隆起は右凸側弯を示唆します。軽度の場合は装具療法や手術療法の適応ではなく、経過観察や運動療法を中心に進行予防を行います。Cobb角の基準を覚えておきましょう。