Duchenne型筋ジストロフィーにみられる症状はどれか。
- 踵足変形
- 視力低下
- 深部感覚障害
- Babinski反射陽性
- 下腿三頭筋仮性肥大
解答解説
正解は5.下腿三頭筋仮性肥大です。
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)は、ジストロフィン遺伝子の異常による進行性の筋力低下を特徴とする疾患です。下腿三頭筋の仮性肥大は、筋線維の変性により筋肉が脂肪や結合組織に置き換わることで生じる特徴的な所見です。
各選択肢の解説
- 踵足変形
踵足変形(足が背屈した状態)は脳性麻痺などで見られる変形です。Duchenne型筋ジストロフィーでは通常、尖足(足が底屈した状態)がみられます。この選択肢は誤りです。 - 視力低下
Duchenne型筋ジストロフィーは筋疾患であり、視力低下は直接的な症状としてみられません。この選択肢は誤りです。 - 深部感覚障害
Duchenne型筋ジストロフィーは筋の疾患であり、感覚障害はみられません。感覚障害は神経疾患でみられることが多いです。この選択肢は誤りです。 - Babinski反射陽性
Babinski反射陽性は上位運動ニューロン障害でみられる症状です。Duchenne型筋ジストロフィーは筋の疾患であり、上位運動ニューロン障害には含まれません。この選択肢は誤りです。 - 下腿三頭筋仮性肥大(正解)
Duchenne型筋ジストロフィーの特徴的な所見であり、進行期には多くの患者にみられます。 仮性肥大は脂肪や結合組織が筋肉の体積を補うために起こります。この選択肢が正解です。
ワンポイントアドバイス
Duchenne型筋ジストロフィーの主な特徴は、仮性肥大(特に下腿三頭筋)、Gowers徴候、進行性の筋力低下、尖足などです。感覚や視力には影響を及ぼさない点が神経疾患との大きな違いです。進行に伴い、心筋障害や呼吸機能の低下も見られるため、全身管理が必要です。