第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題6

義肢の写真において、使われている部品はどれか。

  1. 吸着式ソケット
  2. ターンテーブル
  3. 多節リンク膝
  4. トルク吸収装置
  5. ドリンガー足部

解答解説

正解は1.吸着式ソケットです。

解説

写真の義肢は大腿義足であり、膝継手や足部に加えてソケット部分が確認できます。ソケットの上部を見ると、吸着弁がついていることが特徴です。この吸着弁は、装着者の大腿部とソケット内の空気を抜いて密着させるために使用されるもので、これを利用するソケットを吸着式ソケットといいます。

吸着式ソケットは、フィット感が良く、長時間の使用においても安定性が高いことが特徴です。この写真に示された義肢では、吸着式ソケットが使われていることが明確です。

各選択肢の解説

  1. 吸着式ソケット(正解)
    義肢のソケット部分に吸着弁があり、使用者の大腿部とソケットの密着を確保するタイプです。この写真のソケットに該当します。この選択肢が正解です。
  2. ターンテーブル
    ターンテーブルは、義肢に回旋の自由を加える装置ですが、今回の写真では確認できません。この選択肢は誤りです。
  3. 多節リンク膝
    多節リンク膝は、膝継手部分が複数のリンク機構で構成され、安定性を高める設計ですが、写真の膝継手は単軸タイプであるため該当しません。この選択肢は誤りです。
  4. トルク吸収装置
    トルク吸収装置は、義足がねじれる動きを吸収するための機構ですが、写真にはトルク吸収装置が確認できません。この選択肢は誤りです。
  5. ドリンガー足部
    ドリンガー足部は、バネ構造を利用してエネルギーリターンを高める高性能な義足の足部ですが、写真の足部は一般的なSACH足(単純な非エネルギーリターン足部)と見られます。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

義肢の部品を正確に把握するためには、以下のポイントを押さえましょう:

  • 吸着式ソケット:吸着弁がついており、装着者の大腿部に密着するタイプ。
  • 膝継手の種類:単軸タイプ、多節リンク膝、油圧式膝など、それぞれの特徴を理解する。
  • 足部の種類:SACH足、エネルギーリターン足部など形状や機能の違いを確認。

このような特徴を整理して覚えておくと、試験でも応用が効きます。