Daniels らの徒手筋力テストで肩関節屈曲(前方挙上)の段階の測定をする際、図のような代償がみられた。代償動作を生じさせている筋はどれか。
- 回外筋
- 上腕二頭筋
- 前鋸筋
- 肩甲下筋
- 広背筋
解答解説
正解は2.上腕二頭筋です。
解説
肩関節屈曲を測定する際、本来関与する筋は三角筋前部や烏口腕筋です。しかし、肩関節屈曲時に上腕二頭筋が代償動作を引き起こす場合があります。上腕二頭筋は、肘関節の屈曲および前腕の回外に作用します。図の代償動作としては、肩関節屈曲時に肘が曲がり、前腕が回外することで上腕二頭筋が動作を補助していることが考えられます。
各選択肢の解説
- 回外筋
回外筋は、前腕の回外運動に関与しますが、肩関節屈曲に直接関与しません。この選択肢は誤りです。 - 上腕二頭筋(正解)
上腕二頭筋は、肩関節屈曲時に肘を屈曲させたり、前腕を回外させる代償動作を引き起こすことがあります。この選択肢が正解です。 - 前鋸筋
前鋸筋は、肩甲骨の前方突出や外転に関与しますが、肩関節屈曲における代償動作には関係しません。この選択肢は誤りです。 - 肩甲下筋
肩甲下筋は肩関節の内旋に関与しますが、肩関節屈曲における代償動作とは無関係です。この選択肢は誤りです。 - 広背筋
広背筋は肩関節の伸展や内転に関与しますが、肩関節屈曲の代償には関係しません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
肩関節屈曲時の代償動作で、以下の点を確認しておくと試験対策に役立ちます:
- 上腕二頭筋の代償:肘屈曲や前腕回外が伴う。
- 肩甲骨の代償:前鋸筋などにより肩甲骨が過剰に前方突出する場合がある。
- 観察ポイント:肘の動きや肩甲骨の動きを注意深く観察することが重要。
徒手筋力テストでは代償動作を防ぎ、目的とする筋の力を適切に評価するスキルが必要です。