図1の検査で異常がみられた場合、図2の脊髄横断面の模式図において損傷が考えられる部位はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
解答解説
正解は5.⑤です。
図1の検査は音叉を用いた振動覚の評価であり、振動覚は脊髄の後索(⑤の部位)を経由して伝えられます。後索には、触覚や位置覚、振動覚などの深部感覚を伝える神経線維が通っています。この経路が損傷されると、振動覚が障害されます。
各選択肢の解説
- ①
①は脊髄の前角で、主に運動神経細胞が分布しており、筋肉への信号を送る役割を担っています。振動覚には関与しません。この選択肢は誤りです。 - ②
②は前索に該当し、痛覚や温度覚を伝える外側脊髄視床路が通っています。振動覚には関与しません。この選択肢は誤りです。 - ③
③は側索で、脊髄小脳路や外側皮質脊髄路が含まれており、運動や一部の感覚伝導に関与しますが、振動覚には直接関与しません。この選択肢は誤りです。 - ④
④は後角で、脊髄内での感覚情報の中継に関与しますが、振動覚そのものの伝導路ではありません。この選択肢は誤りです。 - ⑤(正解)
⑤は後索で、振動覚や位置覚、触覚を伝える経路が通っています。 この選択肢が正解です。
ワンポイントアドバイス
振動覚の伝導路を正確に理解するためには、以下のポイントを押さえておきましょう:
- 後索(後索-内側毛帯路):触覚、振動覚、位置覚を伝える経路。
- 外側脊髄視床路:痛覚、温度覚を伝える経路。
- 検査法:振動覚は音叉、位置覚は指の動きなどで評価。
脊髄の各部位と対応する感覚や運動機能を整理しておくと、試験での応用力が高まります。