第52回

第52回理学療法士国家試験 午前問題75

病理学的な悪性度が最も高いのはどれか。

  1. 海綿状血管腫
  2. 下垂体腺腫
  3. 神経膠芽腫
  4. 神経鞘腫
  5. 髄膜腫

解答解説

正解は3.神経膠芽腫です。

神経膠芽腫(glioblastoma)は、脳腫瘍の中で最も悪性度が高い腫瘍の1つです。WHO分類ではグレードIVに分類され、浸潤性が強く、急速に進行します。治療は手術、放射線療法、化学療法が行われますが、再発しやすく、予後が非常に悪いのが特徴です。

各選択肢の解説

  1. 海綿状血管腫
    海綿状血管腫は良性の血管性腫瘍で、悪性度は低いです。この選択肢は誤りです。
  2. 下垂体腺腫
    下垂体腺腫は下垂体に発生する腺腫で、ほとんどが良性です。悪性度は低く、適切な治療で管理可能です。この選択肢は誤りです。
  3. 神経膠芽腫(正解)
    神経膠芽腫は脳腫瘍の中で最も悪性度が高く、急速に進行し、浸潤性が強い腫瘍です。 この選択肢が正解です。
  4. 神経鞘腫
    神経鞘腫は末梢神経に発生する良性腫瘍で、悪性度は低いです。この選択肢は誤りです。
  5. 髄膜腫
    髄膜腫は髄膜に発生する腫瘍で、多くは良性です。ただし、一部に悪性のものが存在しますが、神経膠芽腫と比べると悪性度は低いです。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

脳腫瘍の悪性度を理解するには、WHO分類(グレードI〜IV)が重要です。悪性度が高い腫瘍は、再発リスクや予後の悪さが特徴的です。

  • グレードIV(例:神経膠芽腫)は最も悪性度が高く、予後が不良。
  • 良性腫瘍(例:海綿状血管腫、神経鞘腫)は、悪性化のリスクが低い。

これらの特徴を整理して覚えましょう。