患者の股関節部エックス線写真を基に、左下肢の肢長検査で正しいのはどれか。
- 棘果長:81.0 cm、転子果長:79.5 cm
- 棘果長:81.0 cm、転子果長:78.5 cm
- 棘果長:81.0 cm、転子果長:77.5 cm
- 棘果長:83.0 cm、転子果長:79.5 cm
- 棘果長:83.0 cm、転子果長:77.5 cm
解答解説
正解は1.棘果長:81.0 cm、転子果長:79.5 cmです。
解説
この患者では右下肢の棘果長が83.0 cmで、右大腿長44.0 cm、右下腿長35.5 cmと示されています。両側の下腿長が等しいこと、さらに右下肢が健側であることを考慮すると、以下の推測が成り立ちます:
- 左下肢の短縮は股関節の変形や脱臼による可能性が高いです(図のエックス線写真に基づく)。
- 左下肢の棘果長(腸骨前上棘から足関節内果までの長さ)は短縮しており、81.0 cmと推測されます。
- 転子果長(大転子から足関節内果までの長さ)は大腿骨短縮が原因で79.5 cmとされます。
これらの数値から正解は1の組み合わせが正しいと判断できます。
各選択肢の解説
- 棘果長:81.0 cm、転子果長:79.5 cm(正解)
左下肢の骨変形に基づき、棘果長と転子果長が短縮している妥当な値です。この選択肢が正解です。 - 棘果長:81.0 cm、転子果長:78.5 cm
転子果長がさらに短くなっている場合、大腿骨全体の短縮が極端であり、この症例には適合しません。 - 棘果長:81.0 cm、転子果長:77.5 cm
転子果長が不自然に短くなっているため、エックス線所見と合致しません。 - 棘果長:83.0 cm、転子果長:79.5 cm
棘果長が右下肢と等しい場合、短縮がないことになり、エックス線所見と一致しません。 - 棘果長:83.0 cm、転子果長:77.5 cm
同様に、右下肢と同等の棘果長を示しており、短縮を示すデータとして不適切です。
ワンポイントアドバイス
- 棘果長は腸骨前上棘から内果までの距離を測定し、下肢全体の長さを評価します。
- 転子果長は大転子から内果までを測定し、大腿骨に由来する短縮を示します。
- エックス線所見と検査データを総合的に評価し、正しい値を判断する練習をしましょう。