第52回

第52回理学療法士国家試験 午前問題81

語の流暢性課題を含む検査はどれか。

  1. MMPI
  2. MMSE
  3. WCST
  4. HDS-R
  5. Rorschachテスト

解答解説

正解は4.HDS-Rです。

HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)は、認知症のスクリーニング検査として広く用いられる検査で、語の流暢性を評価する課題を含みます。例えば、「野菜の名前をできるだけたくさん挙げてください」といった課題があり、これは前頭葉機能(言語流暢性)を評価する目的があります。

各選択肢の解説

  1. MMPI(ミネソタ多面的人格目録)
    MMPIは、精神疾患の評価や性格傾向の測定を目的とする質問紙式検査です。語の流暢性課題は含まれていません。この選択肢は誤りです。
  2. MMSE(Mini-Mental State Examination)
    MMSEは認知機能の評価スケールで、計算や記憶、見当識などを測定しますが、語の流暢性課題は含まれていません。この選択肢は誤りです。
  3. WCST(ウィスコンシンカード分類課題)
    WCSTは遂行機能(前頭葉機能)の評価に用いられる検査で、カードの分類ルールを変更しながら解答する課題です。語の流暢性は評価しません。この選択肢は誤りです。
  4. HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)(正解)
    HDS-Rには、語の流暢性を測定する課題(例:「野菜の名前を挙げる」)が含まれます。 認知症のスクリーニングや前頭葉機能の評価に有用です。この選択肢が正解です。
  5. Rorschachテスト
    ロールシャッハテストは、インクブロット(インクのしみ)を用いた投影法の心理検査で、語の流暢性課題は含まれていません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

HDS-Rは認知症スクリーニングの定番で、語の流暢性課題が含まれることが特徴的です。類似の検査としてMMSEがありますが、MMSEには語の流暢性課題は含まれていないため、両者の違いを理解しておくと試験対策に役立ちます。