再発に高EE(Expressed Emotion)が深く関与している統合失調症患者の治療に有効なのはどれか。
- 自律訓練法
- 認知行動療法
- 生活技能訓練
- 家族心理教育
- レクリエーション
解答解説
正解は4.家族心理教育です。
高EE(Expressed Emotion)とは、家族など患者を取り巻く環境における感情表出の程度を指し、高い批判的態度や過干渉、過剰な感情表現がある場合を指します。統合失調症患者において、高EEの家庭環境は再発リスクを高めることが知られています。そのため、患者の家族に対して家族心理教育を行い、適切な対応や支援の方法を指導することが再発予防に有効です。
各選択肢の解説
- 自律訓練法
自律訓練法は、リラクゼーションやストレス軽減を目的とした技法で、患者本人のリラクゼーションには役立つ可能性がありますが、高EEの調整には直接的な効果は期待できません。この選択肢は誤りです。 - 認知行動療法
認知行動療法は、患者本人の歪んだ認知や行動パターンを修正する治療法で、統合失調症の症状改善に用いられることがあります。しかし、家族環境における高EEの調整には直接的には効果がありません。この選択肢は誤りです。 - 生活技能訓練
生活技能訓練(SSTなど)は、患者の社会生活能力を高めるための支援ですが、家族環境の改善や高EEへの対応が主な目的ではありません。この選択肢は誤りです。 - 家族心理教育(正解)
家族心理教育では、家族に対して統合失調症の理解を深めてもらい、高EEを抑える適切な対応を学んでもらうことで、患者の再発リスクを低減することが可能です。 この選択肢が正解です。 - レクリエーション
レクリエーション活動は患者のストレス軽減や生活の質向上に役立つことはありますが、家族の高EEに対処する直接的な手法ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
統合失調症患者の再発予防では、患者本人だけでなく、家族を含めた包括的な治療と支援が重要です。特に高EEが再発リスクを高めることが示されているため、家族心理教育が有効な対策となります。試験では以下を整理して覚えましょう:
- 高EEの特徴:批判的態度、過干渉、過剰な感情表現。
- 家族心理教育の目的:家族の理解促進、患者との関わり方の改善。
- 再発予防の柱:薬物療法、心理社会的介入(家族心理教育、SSTなど)。
適切な治療と支援の方法を学ぶことで、実践的な対応力も向上します。