健常成人の平地歩行時の下肢筋活動を図に示す。下三頭筋の筋活動に相当するのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
解答解説
正解は2.②です。
下三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)は、歩行周期において主に立脚後期に活動します。この筋活動は、足関節の底屈(プッシュオフ)を補助するために必要で、歩行の推進力を生み出します。図②の筋活動パターンは、立脚期中期から後期にかけて活動が増加し、遊脚期に活動が消失していることから、下三頭筋の活動を示していると考えられます。
各選択肢の解説
- ①
立脚初期に活動しており、遊脚期にほとんど活動がないため、大腿四頭筋の活動に相当すると考えられます。下三頭筋ではありません。この選択肢は誤りです。 - ②(正解)
立脚中期から後期にかけて活動がピークに達しており、遊脚期には活動が消失しています。この筋活動パターンは、下三頭筋がプッシュオフで収縮する特性に一致します。この選択肢が正解です。 - ③
立脚期と遊脚期の両方で二峰性の活動が見られます。この活動パターンは、ハムストリングスに相当する可能性が高いです。この選択肢は誤りです。 - ④
立脚期全体を通して持続的な活動が見られるため、中殿筋のように股関節の安定性を保つ筋に対応すると考えられます。下三頭筋ではありません。この選択肢は誤りです。 - ⑤
主に遊脚期に活動しており、前脛骨筋など足関節を背屈する筋に相当します。下三頭筋の活動パターンとは異なります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
健常成人の歩行周期における下三頭筋の活動を覚える際には、以下のポイントに注意してください:
- 活動時期:立脚後期に活動がピーク(プッシュオフで底屈を行う)。
- 遊脚期:活動はほとんど見られない。
- 役割:足関節の底屈を行い、推進力を生み出す。
他の筋肉との活動パターンの違いを比較しながら理解すると、試験でも応用しやすくなります。