糖尿病性の多発神経障害で早期から異常がみられやすいのはどれか。
- 膝蓋腱反射
- 徒手筋力検査
- 内果の振動覚
- 関節可動域検査
- Timed Up and Go Test〈TUG〉
解答解説
正解は3.内果の振動覚です。
糖尿病性多発神経障害(糖尿病性ニューロパチー)では、振動覚や位置覚などの深部感覚が初期に障害されやすいのが特徴です。内果の振動覚は、振動覚の異常を簡便に検出できる部位であり、糖尿病性多発神経障害の初期症状を確認するための重要な指標となります。
各選択肢の解説
- 膝蓋腱反射
誤り。腱反射の低下や消失も糖尿病性ニューロパチーでみられますが、振動覚の異常に比べると出現が遅れることが多いです。 - 徒手筋力検査
誤り。筋力低下は末期症状として現れることが多く、糖尿病性多発神経障害の早期には目立った筋力低下はみられません。 - 内果の振動覚
正解。振動覚の低下は糖尿病性多発神経障害の早期にみられる典型的な症状であり、内果での振動覚検査は簡便かつ有効です。 - 関節可動域検査
誤り。関節可動域の変化は糖尿病性多発神経障害とは直接関係がありません。早期に異常がみられることも少ないです。 - Timed Up and Go Test〈TUG〉
誤り。TUGは歩行やバランス能力を評価する指標であり、感覚障害や筋力低下が進行してから異常が顕著になります。糖尿病性多発神経障害の早期評価には適していません。
ワンポイントアドバイス
糖尿病性多発神経障害では、感覚神経障害が運動神経障害よりも早期に出現することが多いです。特に振動覚や位置覚の低下は初期症状として重要です。振動覚の評価には、128Hzの音叉を使用することが一般的です。定期的な神経学的評価を行い、早期の症状を見逃さないようにしましょう。