病名と症状の組合せで正しいのはどれか。
- 前頭側頭型認知症――脱抑制
- 進行性核上性麻痺――取り繕い
- 皮質基底核変性症――認知の変動
- Lewy小体型認知症――肢節運動失行
- Alzheimer 型認知症――垂直性眼球運動障害
解答解説
正解は1.前頭側頭型認知症――脱抑制です。
前頭側頭型認知症(FTD: Frontotemporal Dementia)は、前頭葉と側頭葉が障害される認知症で、代表的な症状として脱抑制(社会的に不適切な行動や感情コントロールの欠如)が挙げられます。他の選択肢については、症状と疾患の組み合わせが不適切です。
選択肢の解説
- 前頭側頭型認知症――脱抑制
正解です。FTDでは、社会的なマナーを欠いた行動や感情のコントロールが効かなくなる脱抑制が特徴的です。また、常同行動や人格変化も見られます。 - 進行性核上性麻痺――取り繕い
誤りです。進行性核上性麻痺(PSP)では、垂直性眼球運動障害や姿勢保持障害が主症状です。「取り繕い」(症状を隠そうとする行動)はAlzheimer型認知症に関連します。 - 皮質基底核変性症――認知の変動
誤りです。皮質基底核変性症(CBD)は、肢節運動失行や非対称性の筋緊張、動作のぎこちなさが特徴です。認知の変動はLewy小体型認知症(DLB)で特徴的に見られる症状です。 - Lewy小体型認知症――肢節運動失行
誤りです。Lewy小体型認知症では、認知の変動、幻視、パーキンソニズムが主な特徴です。肢節運動失行は皮質基底核変性症に見られる症状です。 - Alzheimer 型認知症――垂直性眼球運動障害
誤りです。Alzheimer型認知症の特徴は記憶障害や見当識障害であり、垂直性眼球運動障害は進行性核上性麻痺(PSP)の特徴的な症状です。
ワンポイントアドバイス
認知症や神経変性疾患の特徴的な症状を理解する際には、疾患ごとの典型的な症状や病態に基づいて整理するとよいです。例えば、FTDでは脱抑制や人格変化、DLBでは認知の変動や幻視、PSPでは垂直性眼球運動障害が重要なポイントとして覚えるべき特徴です。