重症筋無力症で正しいのはどれか。
- 脱髄性疾患である。
- 午前中に症状が悪化する。
- 複視を生じることは稀である。
- 感染はクリーゼの誘発因子である。
- 四肢遠位筋の筋力低下を生じやすい。
解答解説
正解は4.感染はクリーゼの誘発因子であるです。
重症筋無力症(Myasthenia Gravis)は、自己免疫反応により神経筋接合部でのアセチルコリン受容体が攻撃されることで筋力低下が生じる疾患です。感染症やストレスなどの要因は、クリーゼ(呼吸筋麻痺による呼吸不全)の誘発因子として知られています。
各選択肢の解説
- 脱髄性疾患である。
誤り。重症筋無力症は神経筋接合部の疾患であり、脱髄性疾患(例:多発性硬化症)ではありません。 - 午前中に症状が悪化する。
誤り。重症筋無力症の症状は、通常日中の活動後や夕方に悪化します。午前中は比較的症状が軽いことが多いです。 - 複視を生じることは稀である。
誤り。複視は重症筋無力症で頻繁にみられる症状の一つです。外眼筋が障害されるため、眼瞼下垂や複視が典型的な初期症状として現れます。 - 感染はクリーゼの誘発因子である。
正解。感染症、ストレス、過労、外科手術、薬剤(特に筋弛緩剤や抗菌薬など)は、重症筋無力症の症状を悪化させ、クリーゼを引き起こすことがあります。 - 四肢遠位筋の筋力低下を生じやすい。
誤り。重症筋無力症では、近位筋(肩帯筋、骨盤帯筋など)が優先的に障害されることが多いです。遠位筋が最初に障害されることは稀です。
ワンポイントアドバイス
重症筋無力症は、外眼筋や近位筋の筋力低下が特徴であり、症状は運動後や日中の活動で悪化します。感染症やストレスなどがクリーゼを誘発するため、患者の状態を丁寧に管理し、呼吸筋麻痺の兆候に注意することが重要です。