第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題98

統合失調症の陰性症状はどれか。2つ選びなさい。

  1. 意欲低下
  2. 感情の平板化
  3. 幻覚
  4. 妄想
  5. 連合弛緩

解答解説

正解は 1.意欲低下2.感情の平板化 です。

統合失調症の症状は、大きく分けて陽性症状陰性症状に分類されます。陽性症状は通常存在しない異常な行動や知覚(幻覚、妄想など)を指し、陰性症状は正常な感情や行動の減退や欠如を指します。以下、各選択肢について詳しく解説します。

各選択肢の解説

  1. 意欲低下(正解)
    意欲低下は統合失調症の典型的な陰性症状です。患者は活動への意欲を欠き、日常生活や社会的活動に対する関心が低下します。この選択肢は正しいです。
  2. 感情の平板化(正解)
    感情の平板化は陰性症状の一つであり、感情表現が乏しくなる状態を指します。患者は喜怒哀楽が乏しく、感情的な反応がほとんど見られなくなります。この選択肢は正しいです。
  3. 幻覚
    幻覚は統合失調症の陽性症状の代表的な例であり、患者が実際には存在しない刺激(主に幻聴)を体験する状態です。陰性症状には該当しません。この選択肢は誤りです。
  4. 妄想
    妄想も統合失調症の陽性症状の一つで、現実とかけ離れた強い思い込み(例:被害妄想や誇大妄想)が特徴です。陰性症状には該当しません。この選択肢は誤りです。
  5. 連合弛緩
    連合弛緩は統合失調症における思考障害の一つで、考えがまとまりを欠き、話が一貫しなくなる状態を指します。これは陽性症状や思考障害に分類され、陰性症状ではありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

統合失調症の症状を理解するためには、陽性症状(幻覚、妄想、思考の異常)と陰性症状(意欲低下、感情の平板化、社会的引きこもりなど)を明確に区別することが重要です。特に陰性症状は、患者の日常生活に大きな影響を与え、回復に時間がかかるため、治療と支援が必要です。