せん妄で正しいのはどれか。
- 認知機能は保たれる。
- 高齢は危険因子となる。
- 睡眠覚醒リズムは保たれる。
- 症状の経過は不可逆的である。
- 夜間に起こることはまれである。
解答解説
正解は 2.高齢は危険因子となる です。
せん妄は、急性または一過性の意識混濁を特徴とする状態で、環境の変化、身体疾患、薬剤などによって誘発されます。以下、各選択肢について詳しく解説します。
各選択肢の解説
- 認知機能は保たれる
せん妄では注意力が低下し、認知機能(記憶、思考、見当識など)にも障害が生じます。特に注意散漫や混乱が特徴的です。認知機能が保たれるという記述は誤りです。この選択肢は誤りです。 - 高齢は危険因子となる(正解)
せん妄は高齢者に多く発生しやすい疾患です。加齢に伴う脳の脆弱性や、併存疾患、薬剤の影響などが関与しており、高齢であることはせん妄の重要な危険因子とされています。この選択肢が正しいです。 - 睡眠覚醒リズムは保たれる
せん妄では、昼夜逆転や睡眠の断片化がよくみられ、睡眠覚醒リズムは乱れることが特徴的です。この選択肢は誤りです。 - 症状の経過は不可逆的である
せん妄は適切な治療や原因の除去により可逆的であることが特徴です。症状は一時的なもので、回復する可能性が高い疾患です。この選択肢は誤りです。 - 夜間に起こることはまれである
せん妄の症状は夜間に悪化しやすい(夕暮れ症候群、サンセット現象)ことが知られています。昼間は比較的落ち着いている場合もあります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
せん妄は、特に高齢者や入院患者で頻繁にみられる状態です。重要な危険因子には、高齢、環境の急激な変化、身体的ストレス(感染、手術など)、薬剤(抗コリン薬、ベンゾジアゼピン系薬剤など)が含まれます。また、睡眠覚醒リズムの乱れや夜間の症状悪化が特徴的である点を覚えておきましょう。