Steinbrocker によるステージⅠの肩手症候群に対する理学療法として適切でないのはどれか。
- 交代浴の実施
- ホットパックの実施
- 他動的伸張運動の実施
- 自己による介助運動の指導
- 臥床時の上肢ポジショニングの指導
解答解説
正解は3.他動的伸張運動の実施です。
肩手症候群(反射性交感神経性ジストロフィー)のステージⅠは、炎症や疼痛が強く、腫脹がみられる時期です。この時期に他動的な伸張運動を実施すると、症状の悪化を招く可能性があります。疼痛を伴う過度な伸張運動は避け、患者の疼痛に配慮したアプローチを優先します。
各選択肢の解説
- 交代浴の実施
適切。交代浴は血流を改善し、疼痛や腫脹の軽減を図るために効果的です。肩手症候群のステージⅠで推奨される方法の一つです。 - ホットパックの実施
適切。温熱療法は血流促進と疼痛緩和に有効です。ただし、腫脹が強い場合には、温熱の使用に注意が必要です。 - 他動的伸張運動の実施
不適切。強い疼痛や腫脹があるステージⅠでは、他動的な伸張運動は患部に負担をかけ、症状を悪化させる可能性があります。無理な伸張運動は避けるべきです。 - 自己による介助運動の指導
適切。患者自身が疼痛の範囲内で行う介助運動は、関節可動域の維持や循環改善に有効です。疼痛を伴わない範囲で行えるよう指導します。 - 臥床時の上肢ポジショニングの指導
適切。肩手症候群では、腫脹や疼痛を軽減するために、上肢を挙上して安定させるポジショニングを指導することが重要です。適切な姿勢は症状緩和に寄与します。
ワンポイントアドバイス
肩手症候群のステージⅠでは、疼痛や腫脹のコントロールが最優先です。無理な他動的伸張運動は禁忌とされ、温熱療法や交代浴、ポジショニング指導、軽い介助運動が推奨されます。患者の疼痛や症状の進行度を確認しながら、安全で効果的なリハビリを計画しましょう。