第51回理学療法士国家試験　午後問題22

Daniels らの徒手筋力テストにおいて座位で筋力3を判定できるのはどれか。2つ選べ。

1. 大胸筋
2. 肩甲下筋
3. 上腕三頭筋
4. 縫工筋
5. 下三頭筋

解答解説

正解は3．上腕三頭筋と4．縫工筋です。
筋力3（Fair）は、重力に抗して関節を完全に動かせる状態を指します。Danielsらの徒手筋力テストでは、筋の作用や関節運動を考慮して、重力の影響を受ける体位を選択することが重要です。座位は、上腕三頭筋や縫工筋の筋力評価において重力を活用しやすい体位です。

各選択肢の解説

1. 大胸筋
   誤り。大胸筋の徒手筋力テストでは、肩関節の水平屈曲（水平内転）が評価されますが、通常は仰臥位で行われるため、座位で筋力3を評価するのは適切ではありません。
2. 肩甲下筋
   誤り。肩甲下筋は肩関節の内旋に関与します。肩関節内旋の筋力評価は通常、仰臥位または腹臥位で行われます。座位での評価は不安定なため適切ではありません。
3. 上腕三頭筋
   正解。上腕三頭筋は肘関節の伸展に関与します。座位で肩関節を屈曲90度に保ち、肘を完全に伸展させることで、重力に抗した運動を評価できます。この方法で筋力3を判定できます。
4. 縫工筋
   正解。縫工筋は、股関節屈曲、外旋、および膝関節屈曲を行う筋です。座位で脚を持ち上げるような運動で、重力に抗する運動を評価でき、筋力3を判定できます。
5. 下三頭筋
   誤り。下三頭筋という筋は存在しません。この選択肢は適切ではありません。

ワンポイントアドバイス

Danielsらの徒手筋力テストでは、重力に抗した運動が可能かどうかを基準に筋力3を判定します。各筋の主な作用と重力を活用する適切な体位を理解することが、正確な評価の鍵です。上腕三頭筋や縫工筋のような、座位で評価しやすい筋の特徴を押さえておきましょう。