60歳の女性。体重50kg。急性心筋梗塞発症後、回復期に心肺運動負荷試験を施行した。最高酸素摂取量は毎分890mLであった。この患者の代謝当量はどれか。
- 約3METs
- 約4METs
- 約5METs
- 約6METs
- 約7METs
解答解説
正解は3.約5METsです。
代謝当量(METs)は、安静時代謝量を基準にして身体活動の強度を示す単位であり、次の式で求められます:
METs = 最高酸素摂取量(mL/分) ÷(3.5 × 体重(kg))
この患者の場合、最高酸素摂取量は890mL/分、体重は50kgのため、計算式に代入すると:
METs = 890 ÷(3.5 × 50) = 890 ÷ 175 = 約5METs
したがって、この患者の代謝当量は約5METsとなります。
各選択肢の解説
- 約3METs
誤り。3METsの場合、計算上の最高酸素摂取量は3 × 3.5 × 50 = 525mL/分となります。この患者の最高酸素摂取量(890mL/分)はこれより高いため、不正解です。 - 約4METs
誤り。4METsの場合、計算上の最高酸素摂取量は4 × 3.5 × 50 = 700mL/分となります。この患者の値(890mL/分)はこれより高いため、不正解です。 - 約5METs
正解。5METsの場合、計算上の最高酸素摂取量は5 × 3.5 × 50 = 875mL/分となり、患者の最高酸素摂取量(890mL/分)とほぼ一致します。 - 約6METs
誤り。6METsの場合、計算上の最高酸素摂取量は6 × 3.5 × 50 = 1,050mL/分となります。この患者の値(890mL/分)はこれより低いため、不正解です。 - 約7METs
誤り。7METsの場合、計算上の最高酸素摂取量は7 × 3.5 × 50 = 1,225mL/分となります。この患者の値(890mL/分)よりもかなり高いため、不正解です。
ワンポイントアドバイス
METsを算出する際の基本式は「最高酸素摂取量 ÷(3.5 × 体重)」です。この式を暗記し、酸素摂取量や体重が与えられた場合には迅速に代入計算できるようにしておきましょう。心肺運動負荷試験の結果から運動強度やリハビリ計画を立てる際に重要な指標となります。