第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題97

全般性不安障害で正しいのはどれか。

  1. 慢性化はまれである。
  2. 男性と比較して女性に多い。
  3. 自律神経系の過活動はみられない。
  4. 症状の消長に環境要因は影響しない。
  5. 他の精神疾患と併存することはない。

解答解説

正解は 2. 男性と比較して女性に多い です。

全般性不安障害(GAD: Generalized Anxiety Disorder)は、過剰な不安や心配が長期間にわたって続く障害で、女性に多く発症することが特徴です。GADでは、心配が慢性化しやすく、自律神経系の過活動による身体症状が現れることも一般的です。また、環境要因や他の精神疾患との併存も影響します。

各選択肢の解説

  1. 慢性化はまれである
    全般性不安障害は慢性化しやすく、長期間にわたって不安が続くことが特徴です。この選択肢は誤りです。
  2. 男性と比較して女性に多い(正解)
    GADは男性よりも女性に多くみられる疾患です。一般的に、女性は男性の約2倍の割合でGADを発症することが報告されています。
  3. 自律神経系の過活動はみられない
    GADでは自律神経系の過活動がみられ、緊張や動悸、発汗などの身体症状が現れることが多いです。したがって、この選択肢は誤りです。
  4. 症状の消長に環境要因は影響しない
    GADの症状は、職場や家庭のストレスなどの環境要因によって影響を受けることが多いです。不安の増悪や緩和には環境要因が関与するため、この選択肢は誤りです。
  5. 他の精神疾患と併存することはない
    GADは他の精神疾患、特にうつ病や他の不安障害と併存することが多いです。併存症のために治療が複雑になることもあります。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

全般性不安障害は、女性に多く、慢性化しやすいのが特徴です。自律神経系の過活動による身体症状も伴いやすく、環境要因や他の精神疾患(特にうつ病や他の不安障害)と併存しやすいです。GADの診断・治療には、こうした特徴を理解することが重要です。