40歳の男性。2週前から腰痛と右殿部から大腿前面にかけてのしびれが生じ、徐々に右下肢の筋力低下を自覚するようになってきた。この患者に行う検査として適切なのはどれか。
- スパーリングテスト
- トンプソンテスト
- 大腿神経伸展テスト
- トーマステスト
- 仙腸関節ストレステスト
解答解説
正解は1.スパーリングテストです。
患者の症状である腰痛や右殿部、大腿前面のしびれは、神経根の圧迫によるものが疑われます。スパーリングテストは、頸椎や神経根の圧迫による症状を誘発するためのテストで、根性神経痛の確認に適しています。
各選択肢の解説
- スパーリングテスト
正解。スパーリングテストは頸椎性神経根症の評価に用いられ、特定の頸部の動きで神経根の圧迫を再現します。この患者の症状(神経根症状)を評価する目的に合致しており、適切な検査です。 - トンプソンテスト
誤り。トンプソンテストはアキレス腱断裂を評価する検査であり、患者の腰痛や下肢の神経症状の診断には関係がありません。 - 大腿神経伸展テスト
誤り。大腿神経伸展テストはL2~L4神経根の障害を確認するための検査です。腰椎神経根の圧迫により大腿前面の痛みやしびれが誘発される場合に有用ですが、スパーリングテストが神経根症状の確認に適しているため、本件では該当しません。 - トーマステスト
誤り。トーマステストは股関節屈曲拘縮を評価する検査であり、腰痛や神経根症状の診断には適していません。 - 仙腸関節ストレステスト
誤り。仙腸関節ストレステストは、仙腸関節障害やその痛みを誘発する検査です。本患者の神経症状の原因を評価するためには不適切です。
ワンポイントアドバイス
神経根症状を疑う場合、スパーリングテストやSLR(Straight Leg Raise)テストが有用です。スパーリングテストでは特定の体位で神経根を圧迫することで症状を再現し、神経根の障害部位を確認できます。根性神経痛の疑いがある場合は必須の検査です。