転移性骨腫瘍で正しいのはどれか。
- 頭蓋骨に好発する。
- 前立腺癌では溶骨性転移が多い。
- 高率に低カルシウム血症をきたす。
- 痛みには温熱療法が第一選択となる。
- 造骨性の骨転移では病的骨折は少ない。
解答解説
正解は 5.造骨性の骨転移では病的骨折は少ない です。
転移性骨腫瘍は、がんが他臓器から骨に転移することで発生します。骨転移には主に溶骨性(骨吸収が優位)、造骨性(骨形成が優位)、混合型があります。以下、各選択肢について詳しく解説します。
各選択肢の解説
- 頭蓋骨に好発する
転移性骨腫瘍は、骨の血流が豊富な部位に好発し、特に脊椎、骨盤、肋骨、大腿骨などに多くみられます。頭蓋骨も稀に転移の部位となることがありますが、頻度は高くありません。この選択肢は誤りです。 - 前立腺癌では溶骨性転移が多い
前立腺癌の骨転移は、主に造骨性転移が多いことで知られています。一方、溶骨性転移は乳癌や肺癌で多くみられる特徴です。この選択肢は誤りです。 - 高率に低カルシウム血症をきたす
転移性骨腫瘍では、溶骨性転移により骨が破壊されるため、骨から血中にカルシウムが流出し、高カルシウム血症を引き起こすことがあります。低カルシウム血症は転移性骨腫瘍の典型的な所見ではありません。この選択肢は誤りです。 - 痛みには温熱療法が第一選択となる
転移性骨腫瘍による疼痛の管理には、薬物療法(鎮痛薬)や放射線療法が主に用いられます。温熱療法は疼痛の軽減に役立つ場合がありますが、第一選択ではありません。この選択肢は誤りです。 - 造骨性の骨転移では病的骨折は少ない(正解)
造骨性の骨転移では、骨形成が優位であるため骨が硬化し、病的骨折のリスクは溶骨性転移よりも低いとされています。この選択肢が正しいです。
ワンポイントアドバイス
転移性骨腫瘍では、骨転移の種類(溶骨性、造骨性、混合型)とそれに伴う病態(高カルシウム血症、病的骨折など)を把握することが重要です。前立腺癌の造骨性転移や乳癌・肺癌の溶骨性転移といった特徴的なパターンを覚えるとともに、治療選択肢(薬物療法、放射線療法など)の優先順位も試験対策として押さえておきましょう。