第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題34

脳卒中片麻痺患者の足関節を底屈位から背屈位に他動的に動かし、最終域に若干の抵抗感を感じた。
MAS〈modified Ashworth scale〉における筋緊張のレベルはどれか。

  1. 0
  2. 1
  3. 1+
  4. 2
  5. 3

解答解説

正解は「2」です。

**MAS(Modified Ashworth Scale)**は、痙縮の評価に用いられるスケールで、筋緊張の抵抗感を0から4の5段階で評価します。
「最終域に若干の抵抗感を感じた」という記述は、MASの「1」に該当します。このレベルは、関節を完全に動かした際に、わずかに筋緊張が増加している場合に適用されます。

MASのスコア詳細

  • 0: 筋緊張がなく、他動運動で抵抗を感じない。
  • 1: 他動運動の最終域で軽度の抵抗感を感じる。
  • 1+: 他動運動中、最初の半分以内で軽度の抵抗感が現れるが、その後スムーズに動かせる。
  • 2: 他動運動中を通して抵抗感があるが、動きは可能。
  • 3: 他動運動が困難になるほどの抵抗感がある。
  • 4: 他動運動が完全に不可能。

選択肢ごとの解説

  1. 0: 筋緊張が全くなく、抵抗を感じない場合に該当します。今回のケースでは抵抗感があるため該当しません。
  2. 1: 正解です。他動運動の最終域で軽い抵抗感を感じる場合に該当します。
  3. 1+: 最終域ではなく、運動開始後すぐに抵抗感を感じる場合に該当します。記述とは一致しません。
  4. 2: 運動全体を通じて抵抗感が一定に続く場合に該当します。今回のケースでは最終域のみの抵抗感があるため該当しません。
  5. 3: 他動運動が困難なほど筋緊張が高い場合に該当します。今回のケースは軽度の抵抗感のみのため該当しません。

ワンポイントアドバイス

MASは筋緊張を定量的に評価するための重要な指標です。特に「抵抗感が現れるタイミング」と「抵抗感の強さ」に注意してスコアを判断することがポイントです。試験ではスコアの具体的な違いを整理して覚えておきましょう。