第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題93

感染症で正しいのはどれか。

  1. 疥癬はネズミによって媒介される。
  2. 帯状疱疹は麻疹と同じウイルスが原因で発症する。
  3. ボツリヌス菌による食中毒は感染型である。
  4. ポリオは血液を介して感染する。
  5. レジオネラ症は空調設備が感染源となる。

解答解説

正解は 5.レジオネラ症は空調設備が感染源となる です。

レジオネラ症は、レジオネラ菌が原因で発症し、水を含む環境中に生息している菌が、空調設備や加湿器などを介してエアロゾル(微小な水滴)として吸入されることで感染します。以下、各選択肢について解説します。

各選択肢の解説

  1. 疥癬はネズミによって媒介される
    疥癬は、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)が皮膚に寄生することで発症します。これは人から人への直接接触によって感染が広がるものであり、ネズミが媒介するわけではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 帯状疱疹は麻疹と同じウイルスが原因で発症する
    帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV: Varicella-Zoster Virus)が原因です。一方、麻疹は麻疹ウイルス(Measles virus)によって引き起こされる感染症です。これらは異なるウイルスが原因であるため、この選択肢は誤りです。
  3. ボツリヌス菌による食中毒は感染型である
    ボツリヌス菌による食中毒は毒素型の食中毒です。菌が産生するボツリヌストキシン(神経毒)を摂取することによって発症します。感染型ではなく毒素型であるため、この選択肢は誤りです。
  4. ポリオは血液を介して感染する
    ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルス(Poliovirus)が糞口感染を介して広がります。汚染された水や食品を介して感染し、血液感染ではありません。この選択肢は誤りです。
  5. レジオネラ症は空調設備が感染源となる(正解)
    レジオネラ症は、レジオネラ菌が水中で増殖し、空調設備や加湿器などのエアロゾル(微細な水滴)を介して吸入されることで感染します。人から人への感染はありません。この選択肢が正しいです。

ワンポイントアドバイス

感染症の特徴や感染経路を正確に理解することが重要です。特に、媒介方法(直接接触、エアロゾル、糞口感染など)や感染の型(感染型、毒素型)の違いを把握しておくと、試験での類似問題に対応しやすくなります。レジオネラ症は空調設備との関連がよく問われるポイントですので、覚えておきましょう。