第59回理学療法士国家試験　午前問題80

他者の模範行動を観察して、自らの行動変容をきたすようにする治療法はどれか。

解答解説

正解は 4. モデリング法 です。

モデリング法とは、他者の模範行動（モデル行動）を観察し、その行動を真似ることで、自らの行動や態度を変容させる技法です。これは行動療法の一環として用いられ、特に社会的スキルの向上や恐怖の克服、適応行動の学習に効果があります。

系統的脱感作法
系統的脱感作法は、リラクゼーションと段階的に不安を引き起こす状況に順応することで、不安や恐怖を軽減する技法です。他者の模範行動を観察するわけではなく、患者自身が段階を踏んで適応していきます。
行動活性化技法
行動活性化技法は、活動を増やすことでうつ症状を改善する治療法です。活動の計画を立てるなどして、生活におけるポジティブな体験を増やすことを目指しますが、他者の模範行動を観察するものではありません。
マインドフルネス
マインドフルネスは、現在の瞬間に集中し、非批判的に自分の経験を観察する技法です。行動変容というより、心の安定やストレス緩和に役立ちます。他者の模範行動を観察することは含まれません。
モデリング法（正解）
モデリング法は、他者の模範行動を観察し、それを自らの行動に取り入れる技法です。観察学習や模倣を通じて行動変容を図るため、他者の行動を観察することが重要なポイントです。
問題解決技法
問題解決技法は、現実の問題を分析し、解決策を見つける方法を学ぶ技法です。自分の問題を解決するためのステップを踏むものであり、他者の模範行動を観察することは含まれません。

モデリング法は、観察学習を利用して行動を変容させるため、特に不安障害や適応障害などの治療に効果的です。類似した行動療法と違い、他者の模範行動を観察する点が特徴です。