先天性心疾患の中で頻度が高いのはどれか。
- 三尖弁狭窄症
- 動脈管開存症
- 肺動脈狭窄症
- 心室中隔欠損症
- 心房中隔欠損症
解答解説
正解は 4.心室中隔欠損症 です。
心室中隔欠損症(VSD: Ventricular Septal Defect) は、先天性心疾患の中で最も頻度が高い疾患です。VSDは心室間を隔てる中隔に欠損があるため、左右の心室間で血液が混ざり、肺血流が増加します。以下、それぞれの選択肢について詳しく解説します。
各選択肢の解説
- 三尖弁狭窄症
三尖弁狭窄症は先天性心疾患としてはまれで、全体的な頻度は非常に低いです。三尖弁の狭窄により右心房から右心室への血流が制限され、右心不全を引き起こしますが、頻度が高い疾患ではありません。この選択肢は誤りです。 - 動脈管開存症(PDA: Patent Ductus Arteriosus)
動脈管開存症は、先天性心疾患として比較的よく見られる疾患ですが、頻度は心室中隔欠損症に次ぎます。出生後も動脈管(胎生期に肺動脈と大動脈をつなぐ血管)が閉じずに残存することで、肺血流の増加を引き起こします。この選択肢は誤りです。 - 肺動脈狭窄症
肺動脈狭窄症も先天性心疾患の一つで、右心室から肺動脈への血流が制限される疾患です。頻度は心室中隔欠損症や動脈管開存症よりも低く、一般的にはそれほど多くありません。この選択肢は誤りです。 - 心室中隔欠損症(VSD: Ventricular Septal Defect)(正解)
心室中隔欠損症は、先天性心疾患の中で最も頻度が高い疾患です。特に軽症の場合は自然閉鎖することもありますが、欠損が大きい場合は手術が必要です。肺血流の増加や心不全症状が特徴的です。この選択肢が正しいです。 - 心房中隔欠損症(ASD: Atrial Septal Defect)
心房中隔欠損症は、先天性心疾患として比較的頻度が高いですが、心室中隔欠損症よりは少ないです。心房間の血液シャントによる右心系の負荷増加が特徴です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
心室中隔欠損症(VSD)は最も頻度が高い先天性心疾患として知られています。次いで、心房中隔欠損症(ASD)や動脈管開存症(PDA)が多く見られます。先天性心疾患では血流動態の変化や症状(肺血流の増加、チアノーゼの有無など)を把握し、頻度の高い疾患を優先して覚えることが試験対策に役立ちます。