Guillain-Barré症候群(GBS)の診断で有用な検査を選びなさい。
- CT
- MRI
- 髄液検査
- 脳波検査
- 血液培養検査
解答解説
正解は 3.髄液検査 です。
Guillain-Barré症候群(GBS)は、末梢神経の急性脱髄性多発ニューロパチーを主な特徴とする疾患で、診断には臨床所見と補助的検査が重要です。髄液検査で見られる典型的な所見は、「蛋白細胞解離」(髄液中の蛋白濃度上昇に対して細胞数の増加が見られない)で、GBS診断の補助として有用です。以下、各選択肢について解説します。
各選択肢の解説
- CT
CT検査は脳や脊髄の構造的異常を確認するために用いられますが、GBSの診断には有用ではありません。GBSは末梢神経系の疾患であり、CTでは病態の評価が難しいため、この選択肢は誤りです。 - MRI
MRIは末梢神経や脊髄神経根の炎症や肥厚を確認できることがありますが、GBS診断の第一選択検査ではありません。診断が不明瞭な場合に補助的に用いられることがあります。この選択肢は誤りです。 - 髄液検査(正解)
GBSの診断において髄液検査は非常に有用です。発症1週間以降に髄液中の蛋白濃度が上昇する「蛋白細胞解離」が特徴的であり、GBSの補助診断に役立ちます。この選択肢が正しいです。 - 脳波検査
脳波検査は脳の電気的活動を評価する検査であり、末梢神経の疾患であるGBSの診断には有用ではありません。この選択肢は誤りです。 - 血液培養検査
血液培養検査は感染症の診断に用いられますが、GBSの直接診断には関係がありません。ただし、GBSの一部は感染症(特にカンピロバクター感染)が誘因となるため、感染源の特定には用いることがありますが、直接的な診断手段ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
Guillain-Barré症候群の診断には、髄液検査の「蛋白細胞解離」の確認と、神経伝導速度検査による脱髄性の異常の確認が重要です。また、臨床所見としては急性進行性の筋力低下、腱反射の低下や消失、場合によっては顔面神経麻痺なども参考になります。診断にあたり、髄液検査のタイミング(発症後1週間以降)にも注意が必要です。