52歳の女性。7年前に右の乳癌に対して腋窩リンパ節郭清を伴う乳房部分切除術が行われ、術後に化学療法と放射線療法が行われた。5年前から右上肢リンパ浮腫が出現したため日常生活においては弾性スリーブを装着していた。リンパ浮腫が悪化してきたため受診し、リンパ浮腫重症度分類ステージⅡと診断された。
日常生活指導として適切なのはどれか。
- むだ毛を処理する。
- 皮膚の保湿をする。
- 水分摂取を制限する。
- 入浴は熱い温度で長湯をする。
- 腕を締め付けるような服を着る。
解答解説
正解は2.皮膚の保湿をするです。
リンパ浮腫では、皮膚の乾燥やひび割れが感染リスクを高めるため、皮膚の保湿は非常に重要です。リンパ浮腫の管理では、感染予防や皮膚の保護が重要なポイントとなります。保湿剤を適切に使用することで、皮膚のバリア機能を維持し、炎症や感染のリスクを軽減できます。
各選択肢の解説
- むだ毛を処理する。
毛を処理すること自体は悪くありませんが、剃毛による皮膚の小さな傷が感染リスクを高める可能性があります。そのため、むだ毛の処理は避けたほうがよい場合が多いです。この選択肢は適切ではありません。 - 皮膚の保湿をする。(正解)
リンパ浮腫の管理において皮膚の保湿は最も基本的で重要なケアの1つです。乾燥した皮膚は感染や裂傷のリスクを高めるため、適切な保湿が必要です。この選択肢が正解です。 - 水分摂取を制限する。
水分摂取を制限することはリンパ浮腫の悪化を防ぐ手段にはなりません。むしろ適切な水分摂取は全身の循環を保つために必要です。この選択肢は誤りです。 - 入浴は熱い温度で長湯をする。
熱いお湯や長湯はリンパ浮腫を悪化させる可能性があるため、避けるべきです。温熱は血管やリンパ管を拡張させ、腫れが増す場合があります。この選択肢は誤りです。 - 腕を締め付けるような服を着る。
締め付けの強い服やアクセサリーは、リンパの流れを阻害する可能性があり、リンパ浮腫を悪化させます。弾性スリーブは圧迫療法として適切ですが、その他の締め付けは避けるべきです。この選択肢は不適切です。
ワンポイントアドバイス
リンパ浮腫の管理では、保湿による皮膚保護、感染予防、適切な圧迫療法、適度な運動が重要です。また、怪我や熱いお湯、過剰な締め付けを避けることが基本的な注意事項です。リンパ浮腫のステージによって適切なケアを選ぶことが試験対策でも重要です。