脳血管障害について誤っているのはどれか。
- 高血圧は脳出血の危険因子である。
- くも膜下出血は女性よりも男性に多い。
- 発作性心房細動は脳塞栓の危険因子である。
- 癌に付随する凝固異常は脳塞栓の原因となる。
- 慢性腎臓病(CKD)は脳卒中の危険因子である。
解答解説
正解は2.くも膜下出血は女性よりも男性に多い。
くも膜下出血(SAH:subarachnoid hemorrhage)は、動脈瘤破裂によるものが大半を占め、女性に多い傾向があります。動脈瘤のリスク因子には、女性ホルモンの減少(閉経後)や喫煙、高血圧などが挙げられます。よって、「男性に多い」という記述は誤りです。
各選択肢の解説
- 高血圧は脳出血の危険因子である。
高血圧は、脳内出血の最大の危険因子であり、動脈硬化や血管壁の脆弱化を引き起こします。この選択肢は正しいです。 - くも膜下出血は女性よりも男性に多い。(正解)
くも膜下出血は女性に多い疾患で、特に閉経後の女性に発症リスクが高まります。この選択肢は誤りです。 - 発作性心房細動は脳塞栓の危険因子である。
心房細動は、心内で血栓を形成しやすく、脳塞栓症の重要な危険因子です。特に発作性心房細動は、診断が難しい場合もあり注意が必要です。この選択肢は正しいです。 - 癌に付随する凝固異常は脳塞栓の原因となる。
癌患者では凝固異常が生じることがあり、血栓形成が促進され、脳塞栓の原因となる場合があります。これを「癌関連塞栓症」と呼びます。この選択肢は正しいです。 - 慢性腎臓病(CKD)は脳卒中の危険因子である。
CKDは、動脈硬化の進行や血圧の上昇を引き起こし、脳卒中のリスクを高めます。この選択肢は正しいです。
ワンポイントアドバイス
脳血管障害のリスク因子を覚える際には、出血性(脳出血、くも膜下出血)と虚血性(脳梗塞)の区別を意識してください。
- 出血性リスク因子:高血圧、喫煙、動脈瘤。
- 虚血性リスク因子:心房細動、糖尿病、高脂血症、CKD、癌。
また、性別の特徴(くも膜下出血は女性に多いなど)も試験で問われることがあるため、注意深く理解しておきましょう。