アルコールの離脱症候群はどれか。2つ選べ。
- 病的酩酊
- けいれん発作
- 複雑酩酊
- 振戦せん妄
- Wernicke脳症
解答解説
正解は2.けいれん発作と4.振戦せん妄です。
アルコールの離脱症候群は、長期のアルコール依存状態にあった人が急激に飲酒を中止または大幅に減量した際に発生します。典型的な離脱症状には、けいれん発作や振戦せん妄が含まれます。これらは、神経系の過剰興奮が主な原因です。
各選択肢の解説
- 病的酩酊
病的酩酊はアルコール摂取後に起こる異常な酩酊状態で、攻撃性や異常行動が特徴です。離脱症候群ではなく、アルコール摂取中に起こる症状です。この選択肢は誤りです。 - けいれん発作(正解)
アルコール離脱に伴うけいれん発作は、通常、飲酒中止後6~48時間以内に発生します。 強直間代性けいれんが典型的であり、離脱症候群の重要な特徴の一つです。この選択肢が正解です。 - 複雑酩酊
複雑酩酊は、飲酒後の行動や意識障害が通常の酩酊を超えた異常な状態を指しますが、離脱症候群ではなく、アルコール摂取時の症状です。この選択肢は誤りです。 - 振戦せん妄
振戦せん妄(delirium tremens)は、アルコール離脱後3~4日目に発生する重篤な症状で、不安、振戦、幻覚、せん妄などがみられます。これは離脱症候群の代表的な症状です。この選択肢が正解です。 - Wernicke脳症
Wernicke脳症は、アルコール依存症に伴うビタミンB1(チアミン)欠乏が原因で発生します。急性発症の眼球運動障害、運動失調、意識障害が特徴ですが、離脱症候群ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
アルコール離脱症候群では、以下の症状を重点的に理解しておきましょう:
- 早期症状:振戦、発汗、不安、不眠。
- 重篤な症状:けいれん発作、振戦せん妄(高い死亡リスクあり)。
- 治療:ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静、ビタミンB1の補充(Wernicke脳症予防)。
これらを正確に区別し、アルコール関連疾患の全体像を把握しておくことが重要です。