内分泌異常と病態の組合せで正しいのはどれか。
- 下垂体前葉ホルモン欠損
- 甲状腺機能低下
- 抗利尿ホルモン分泌亢進
- 副甲状腺機能低下
- 副腎皮質機能低下
解答解説
正解は4.副甲状腺機能低下:テタニーです。
副甲状腺機能低下症では、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌低下により血中カルシウム濃度が低下します。これにより神経筋興奮性が高まり、テタニー(筋けいれんや痙攣)が発生します。代表的な徴候には、Chvostek徴候(顔面筋のけいれん)やTrousseau徴候(手指の収縮)が含まれます。
各選択肢の解説
- 下垂体前葉ホルモン欠損:先端巨大症
先端巨大症は、下垂体前葉からの成長ホルモン(GH)の過剰分泌が原因です。ホルモン欠損ではなく過剰分泌で発症します。この選択肢は誤りです。 - 甲状腺機能低下:Basedow病
Basedow病は、甲状腺ホルモンが過剰分泌される甲状腺機能亢進症の一種です。機能低下とは逆の病態です。この選択肢は誤りです。 - 抗利尿ホルモン分泌亢進:尿崩症
尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH)の分泌低下や作用低下により大量の尿が排出される疾患です。分泌亢進ではなく欠乏が原因です。この選択肢は誤りです。 - 副甲状腺機能低下:テタニー(正解)
副甲状腺機能低下症では、低カルシウム血症によりテタニーが発生するのが特徴的です。この選択肢が正解です。 - 副腎皮質機能低下:Cushing症候群
Cushing症候群は、副腎皮質ホルモン(特にコルチゾール)の過剰分泌が原因です。機能低下ではなく過剰分泌の疾患です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
内分泌異常と病態を結びつける際には、以下を整理するとわかりやすくなります:
- 機能亢進:Basedow病(甲状腺)、Cushing症候群(副腎皮質)など。
- 機能低下:尿崩症(抗利尿ホルモン)、副甲状腺機能低下症(テタニーを引き起こす)。
- 症状のキーワード:テタニー=低カルシウム血症。
病態の特徴的な症状を基に正しい組み合わせを判断できるようにしましょう。