第52回

第52回理学療法士国家試験 午前問題47

要介護認定の審査で、要支援2と要介護1の違いを判定する要素はどれか。

  1. 歩行速度
  2. 対象者の意欲
  3. 状態の不安定性
  4. 家族の介護負担感
  5. 要介護認定等基準時間

解答解説

正解は3.状態の不安定性です。

要支援2と要介護1の違いは、対象者の身体的・精神的な状態の安定性や生活動作の困難度にあります。要介護1では、日常生活動作に一部介助が必要となり、さらに状態の不安定性が見られることが特徴です。一方、要支援2では状態が比較的安定しており、軽度の支援が求められる程度です。

各選択肢の解説

  1. 歩行速度
    歩行速度は身体能力の一要素ですが、要支援2と要介護1の判定に直接的に用いられる要素ではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 対象者の意欲
    対象者の意欲は介護の進行に影響を与える可能性がありますが、要支援2と要介護1の判定要素としては直接的ではありません。この選択肢は誤りです。
  3. 状態の不安定性(正解)
    状態の不安定性(例:転倒リスクや体調変動)は、要介護度の判定において重要な要素です。要支援2より要介護1では不安定性が高く、介助が必要な場面が増えるため、この選択肢が正解です。
  4. 家族の介護負担感
    家族の介護負担感はケアプランの策定時に考慮される場合がありますが、要支援や要介護の判定基準ではありません。この選択肢は誤りです。
  5. 要介護認定等基準時間
    要介護認定等基準時間は、要介護度の判定に用いられますが、要支援2と要介護1の判定では、不安定性や生活動作の難易度の方が重要視されます。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

要支援と要介護の違いは、「自立度」「安定性」「介助の必要性」の程度に着目して判定されます。 特に、要支援2から要介護1への移行では、日常生活における身体的・精神的な状態の不安定性が重要な判定要素となる点を理解しておきましょう。